防火戸とは？合法的に開けっ放しできる電磁レリーズ『マグネット・ドアホルダー』

建築物に関する法令には、安全性を確保するために多くの規定があります。
そのなかで防火戸は、火災による被害を抑えるために設置が必要な設備です。
防火戸を設置する場合、法律で定められているルールがあります。
しかしそのルールを知らない人も多く、知らず知らずのうちに法律違反してしまっている可能性も。

この記事では防火戸の設置において、法律でネックになっている部分を解決できる「自動閉鎖装置」を紹介します。自動閉鎖装置を設置すれば、安全性を確保しながら合法的に防火戸を開けっ放しにできます。

防火戸とは、防火性能をもつ扉のことです。防火扉や防火ドアと呼ばれることもありますが、正しい読み方は「防火戸（ぼうかど）」です。
火災が発生したとき、防火戸が閉まることで一時的に火と煙をせき止め、隣の部屋や区画に延焼するのを防いでくれます。そんな防火戸には防火設備にあたるものと、特定防火設備にあたるものがあり、それぞれ次のような違いがあります。

建築法で定められている規定に従い、安全性を高めるために条件の合った防火戸を設置する必要があります。火や煙をせき止めてくれている間に避難する時間を稼いでくれるため、安全性を高めるのに防火戸は設置が必要です。

防火扉を設置する場合、ルールに従って設置します。
まず防火扉は、法律で開けっ放しにしてはいけないことが決まっています。
その理由は、防火扉は「扉を閉めることで延焼を防ぐ設備」のためです。

火災発生時に防火扉が閉まらないと、火や煙をせき止める役割を果たしません。
そのため防火扉を開けっ放しにしておく目的で、ドアストッパーを使うことは法律違反です。
また、防火扉の前に荷物を置く行為も法律違反です。

基本的な考え方としては、防火扉が閉まるのを妨げる行為は違反となってしまいます。
ロープでドアノブを結びつけるなども、防火扉が閉まるのを妨ぐため、おこなわないようにしましょう。

ドアストッパーや荷物で防火戸を開けっ放しにしていると延焼を防げず、大変な被害を出してしまう恐れがあります。基本的には、防火戸が開けっ放しになっていない状態が望ましいのです。

しかし換気や人の出入りをスムーズにする目的で、開けっ放しにしておきたい場合もあるでしょう。そんな要望を満たすためには、防火戸用「自動閉鎖装置」の設置をおすすめします。

防火戸用「自動閉鎖装置」は、常時通電させることでドアをホールドします。平常時には電源・火災感知器・センサーと連動し、常時通電することで電磁マグネットが吸着します。

防火戸をホールドできるため、常時開放している状態を維持できるのです。通電している状態でも、人の力で引き剥がせるほどのホールド力です。そのため、一時的に閉めたい場合でも対応可能です。

防火戸用「自動閉鎖装置」は、火災時には電源がオフになります。常時通電させることでドアをホールドしますが、電源がオフになることで通電が切れ、電磁マグネットが吸着しなくなります。火災発生時に電源をオフにできるのは、電源と火災センサーが連動しているためです。こうして他の装置と連動し、防火戸を合法的に開けっ放しにできます。

火災が発生し、防火戸用「自動閉鎖装置」の通電が切れることでドアのホールドが解除されます。電磁マグネットの吸着が切れるため、ドアのクローザーの力により自動で防火戸が閉まります。

• 常時通電
• 火災時に電源オフ
• ドアを自動クローズ

これら3つの特徴により、防火戸を合法的に開けっ放しにできる仕組みが作られています。

防火戸用「自動閉鎖装置」は50万回の開閉試験を達成した耐久性の高い商品です。そんな防火戸用「自動閉鎖装置」はさまざまな取り付け場所を想定しているため、いくつもの種類が用意されています。

• 床面取付型
• 壁面付型
• 壁埋込型
• 引き戸用
• 大型防火戸用
• その他

床取付型は、ドアを開けた先に壁面がなくとも設置できる防火戸用「自動閉鎖装置」です。「GD850F」「GD900F」などが該当します。ドアを閉めるときは、本機上部ボタンを押すことで一時的に電気を切ります。保持力は約30kgあり、一般的な防火戸に対応可能です。

壁面付型は、壁面に設置できる防火戸用「自動閉鎖装置」です。壁面や壁内を補強することで固定しています。「GD860S」「GD900WS」などが該当します。ドアを閉めるときは、本機上部ボタンもしくは専用スイッチを押すことで電気を一時的に切ります。保持力は約30kgあり、一般的な防火戸に対応可能です。

壁埋込型は、壁のなかに埋め込める防火戸「自動閉鎖装置」です。壁内に設置するため、省スペースで設置できます。「GD640S」「GD650S-24-105」などが該当します。注意点としては、壁内に埋め込むため壁埋込取付型専用バックボックスが必要な点です。壁埋込型火戸用「自動閉鎖装置」を設置する場合は、セットでのご用意をお願いいたします。保持力は約30kgあり、一般的な防火戸に対応可能です。

引き戸用に作られた防火戸用「自動閉鎖装置」です。防火扉が引き戸になっている場合にご使用いただけます。注意点としては、ドアリリースボタンが付いていないため、壁付けスイッチを必ずご使用いただく点です。保持力は約36kgあり、一般的な引き戸の防火戸に対応可能です。

大型防火戸用「自動閉鎖装置」は、ここまで紹介した防火戸用「自動閉鎖装置」の保持力では対応できない場合にご使用します。保持力が250kg以下と、大型の防火戸でも対応できる規格です。ドアリリースボタンが付いていないので、壁付けスイッチを必ずご使用いただきます。注意点としては、大型防火戸用「自動閉鎖装置」は、壁面取付型のみとなっている点です。

エクステンションロッドは、床付型、壁付型、壁埋込型のマグネット・ドアホルダーに付属している部品「アーマチュアプレート」に取り付ける商品です。

たとえば、次のような場合にエクステンションロッドが有効です。

• ドアが壁にぶつかってしまう
• ドアノブが壁に干渉してしまう

ドアの開き角度により、電磁マグネット同士が付かない場合にもエクステンションロッドが活躍します。エクステンションロッドは、壁とドアとの距離を保つために利用します。

今回は防火戸の設置において、法律でネックになっている部分を解決できる「自動閉鎖装置」を紹介しました。防火戸とは、火災発生時に防火戸が閉まることで一時的に火と煙をせき止め、延焼を防ぐ役割をもっています。

しかし防火戸をドアストッパーで止めたり、荷物を置いて開くのを妨げたりすると、法律違反となってしまいます。そんなお悩みを解決してくれるのが防火戸「自動閉鎖装置」です。

防火戸「自動閉鎖装置」を設置することで合法的に開けっ放しにでき、万が一火災が発生したら自動で閉めてくれます。さらに詳しい情報は『マグネット・ドアホルダー製品ページ』、ご質問や見積もりは『お問い合わせ』からお願いいたします。