ある某大手外資系製薬会社では、台車で製品を運搬する際のドア開閉が大きな負担となっていました。「台車を押しながらドアを開けるのは難しく、ドアにぶつけるリスクがあった」という声があがる中、同社は台車移動のスムーズさ、限られたスペース、セキュリティ管理という三つの課題に直面していました。

これらを解決するため選ばれたのが、開き戸用自動ドアシステム「アシスト・スイング®」です。今回は、この導入事例とそれによって実現したメリットについてご紹介します。

解決策の模索:なぜ「アシスト・スイング®」だったのか

自動ドアの導入を決めた同社は、複数のメーカーや製品を比較検討しました。その過程で浮上したのが、当社の開き戸用自動ドアシステム「アシスト・スイング®」でした。

スペース効率の良さ

まず、スペース効率の良さです。引きシロがなく引き戸が設置できない状況でしたが、スイングドア(開き戸)タイプの自動ドアなら限られたスペースでも設置可能だと分かり、検討を始めたそうです。

コストパフォーマンスの高さ

コストパフォーマンスの高さも重要な要素でした。複数の製品を比較した結果、SW300は「安価で性能がいい」という点で優れており、予算内で必要機能を満たしてくれる製品を探していたため、これは大きなポイントになりました。

セキュリティ機能との連携

セキュリティ機能との連携も決め手になりました。製薬会社として入退室管理は厳格に行う必要がありますが、アシスト・スイング®は既存のセキュリティシステムと連携できる柔軟性があったことも選定理由の一つでした。

安全性への配慮

安全性への配慮も重視されました。台車が行き来するエリアでは、ドアに挟まれる危険性を排除する必要がありましたが、フラットスキャンという安全センサーと組み合わせることで、安全面での不安も解消できました。

自動ドア機器の詳細:技術的な特徴

今回導入されたのは、アシスト・スイング®Slim-SW300が計4台です。2か所の両開きドアに対して、それぞれ2台ずつ設置されました。

【設置箇所①】フロア入口セキュリティドア(両開き)

フロア入口は、オフィスエリアへの主要アクセスポイントとなる重要な通路です。社員やスタッフが頻繁に行き来するだけでなく、資材や製品サンプルを載せた台車の移動も多い場所であり、確実なセキュリティ管理と円滑な通行の両立が特に求められていました。

設置機器と機能

アシスト・スイング® 導入機器と機能
導入機器 機能

Slim-SW300 自動ドアオペレーター×2台
既存のスイングドアを自動化

フラットスキャン(安全センサー)
ドア周辺の人や物を検知し、挟み込みを防止

マグネット電気錠
確実なセキュリティ管理を実現

停電時のバッテリーオプション
停電時も一定時間ドアを使用可能

入退出方法

入退出方法
設置機器 機能
外側からの入室方法

カードリーダー(他社製)
許可された社員のみ入室可能

緊急用キースイッチ(他社製)
非常時のバックアップとして
内側からの退出方法

非接触センサー(RTSシリーズ)
手をかざすだけでドアが開く

コールポイント(緊急解除スイッチ)
緊急時の迅速な退出を可能に

【設置箇所②】オフィス内のドア(両開き)

オフィス内のドアは、頻繁に台車が行き来するエリアであり、すでにセキュリティが確保されたゾーン内での移動を円滑にすることに重点が置かれています。エリア間の効率的な往来と安全性の確保が主な設置目的となっています。

設置機器と機能

アシスト・スイング® 導入機器と機能
導入機器 機能

Slim-SW300 自動ドアオペレーター×2台
既存のスイングドアを自動化

フラットスキャン(安全センサー)
ドア周辺の人や物を検知し、挟み込みを防止

停電時のバッテリーオプション
停電時も一定時間ドアを使用可能

入退出方法

入退出方法
設置機器 機能
内側・外側共通

非接触センサー(RTSシリーズ)
手をかざすだけでドアが開く

今回の導入事例におけるアシスト・スイング®Slim-SW300のポイント

ここでは、アシスト・スイング®Slim-SW300について、その優れた特徴をご紹介します。

既存ドアへの後付けが可能

アシスト・スイング®Slim-SW300は、業界最薄クラスのスリムボディを実現した革新的な自動ドアオペレーターです。既存のスイングドアに完全後付け可能な設計により、ドア本体の交換が不要で、最短半日での施工を実現します。

従来の自動ドア化と比較して工期とコストを大幅に削減します。天井部の配線スペースが限られた環境でも設置できる省スペース設計で、改修が制限される建物にも対応。最大400kgまでの重量ドアにも適用可能で、幅広い既存ドアをスマートに自動化します。

多様な入退室管理やセンサーとの連携

非接触センサー、カードリーダーなど、様々な機器と連携可能で、使用環境や要件に合わせたカスタマイズが可能になります。今回の導入ではRTS非接触センサーを採用したことで、手をかざすだけでドアが開く便利な操作性を実現しました。両手で台車を操作しながらでもスムーズに通行できる環境が整いました。

安全センサーによる障害物検知

フラットスキャンという安全センサーの搭載により、ドアの開閉時の安全性が大幅に向上しています。ドア周辺の人や物を正確に検知し、障害物がある場合は自動的にドアの動作を停止または反転させます。台車や人がドアに近づくだけでセンサーが反応するため、以前のような「ドアに台車をぶつける」「ドアに挟まれそうになる」といったトラブルが解消されました。特に台車の頻繁な通行がある環境では、この安全機能が業務の効率化と事故防止に大きく役立っています。

停電時対応のバッテリー(オプション)

停電時でも一定時間動作可能なバッテリーをオプションとして搭載しました。製薬会社など、業務の連続性が重要な施設では特に重宝される機能です。今回の導入では停電時のバッテリーを追加したことで、非常時でも安心して使用できるようになりました。製薬会社として、いかなる状況でも施設のセキュリティと機能性を維持することは最重要課題とされていました。

導入プロセスと工事期間

導入プロセスは、当社の専門技術者によって効率的に進められました。工事期間は2日間で完了し、各日に両開きドア1か所(計2台)ずつのペースで合計4台のSlim-SW300を設置しました。

工事プロセス

アシスト・スイング®の工事は、お客様の環境や要件に応じて効率的に進めています。基本的な施工プロセスは以下のとおり進めています。

施工プロセス
1. 既存ドアの調査と計測
ドアの寸法、材質、周辺環境を詳細に調査し、最適な設置方法を決定します。
2. 必要な機器と部材の準備
現場調査の結果に基づき、必要なオペレーター、センサー類、制御機器などを準備します。
3. 機器の取り付けと電気工事
・既存のドア枠上部にSW300などのオペレーターを設置
・安全センサー(フラットスキャン)や操作用ボタン・センサー(RTS非接触センサーなど)の取り付け
・制御系統の配線と電源確保のための電気工事を同時に実施
・既存設備との干渉を避けながら、美観にも配慮して設置
4. セキュリティシステムとの連携設定
カードリーダーや電気錠など、セキュリティ機器との連携設定を行います。既存のシステムとの互換性を確保します。
5. 動作テストと調整
開閉速度、センサー感度、作動タイミングなどの微調整を行い、最適な動作環境を整えます。
6. お客様への取り扱い方法説明
お客様立会いの下、設備の取り扱い方法や注意点について丁寧にご説明します。操作方法から非常時の対応まで、必要な情報を提供します。

通常、ドア1箇所あたり約1日の工期で設置が可能です。工事は可能な限りお客様の業務に支障をきたさないよう、営業時間外や業務の少ない時間帯に実施するなどの配慮も行っております。

導入後に期待できる効果

今回のアシスト・スイング®の導入により、某大手外資系製薬企業では以下のような効果が期待されます。

業務効率と利便性の向上

台車での移動がスムーズになり、物品運搬時間の短縮ができ、両手で台車を操作できるようになることで安定した運搬が可能になります。ドアの自動開閉により日常的な移動のストレスが軽減され、非接触操作による利便性向上は、オフィス環境での日常の動線をよりスムーズにします。

事故防止と安全環境

フラットスキャンによる安全センサーの導入により、ドアと台車の接触事故や指がドアに挟まれる危険性が大きく軽減されます。また、安全面での不安が解消されることで、従業員の方々はより業務に集中できる環境が整います。

セキュリティ管理の強化と利便性の両立

電気錠との連携により精密な入退室管理が実現し、オフィスエリアのセキュリティレベルを保ちながら、スムーズな出入りを可能にします。カードリーダーと連動したアクセス管理により、許可された人員のみが入室可能な環境を維持しつつ、日常の通行がよりスムーズになります。

アシスト・スイング®の導入は単なるドアの自動化にとどまらず、業務プロセスの効率化、安全性の確保、セキュリティの堅牢化という複数の側面でオフィス環境の質的向上が可能です。

アシスト・スイング®がおすすめの施設タイプ

今回の導入事例を踏まえ、以下のような特徴を持つ施設ではアシスト・スイング®の導入効果が特に高いと考えられます。

アシスト・スイング®がおすすめの施設タイプ
スペースに制約がある施設
  • 狭い廊下や通路がある建物
  • 引き戸用のスペース(引きシロ)が確保できない場所
  • 既存のスイングドアを活かしたい施設
台車やカートの使用頻度が高い施設
  • 病院・クリニック
  • 研究施設・実験室
  • 物流センター・倉庫
  • ホテル・商業施設
  • 老人ホーム・介護施設
セキュリティと利便性の両立が必要な施設
  • 製薬会社・バイオ研究所
  • データセンター
  • オフィスビル
  • 公共施設
  • 教育機関

アシスト・スイング®は様々な施設環境に適応し、それぞれの施設特性に応じた多様なメリットがあります。特に空間的制約、物流効率、セキュリティニーズのバランスが求められる環境で、その真価を発揮します。

アシスト・スイング®SW300の主な特徴と性能

アシスト・スイング®Slim-SW300は、あらゆる施設のスイングドア自動化に最適なスウェーデン製オペレーターです。最大400kgまでの重量ドアに対応し、最大1,400mmの幅広いドアサイズに適合します。高さわずか70mmの業界最薄クラスのスリムボディでありながら、300万回の工場テスト(公的には100万回以上)をクリアした高い耐久性を誇ります。既存ドアへの後付けが可能で、1日での工事完了を実現。開時間(2.5~12秒)、閉時間(4~12秒)、ホールドオープン時間(1.5~30秒)は細かく調整でき、様々な使用環境に対応します。

基本性能
対応ドア重量 プッシュアーム:最大140kg㎡
プルアーム:最大80kg㎡
最大400kgまでの重量ドアにも適用可能
対応ドア幅 最大1,400mm
開閉角度 80°~110°
耐久性 100万回以上の開閉試験実施
(工場テスト300万回)
電気・操作仕様
主電源 100-240V AC +10/-15%、50/60Hz
消費電力 最大300W
開時間 2.5~12秒(調整可能)
閉時間 4~12秒(調整可能)
ホールドオープン時間 1.5~30秒(調整可能)
本体サイズ仕様
高さ 70mm
840mm(標準・最小、スタンダードカバー使用時)
1684mm(最大、フルレングスカバー使用時)
奥行き 148mm
重量 ドライブユニット 7.6kg
設置方法 既存ドアへの後付け設置可能
1日での工事完了可能
特殊機能
安全機能 フラットスキャン安全センサー連携
障害物検知による自動停止・反転
非常時対応 バッテリー停電時対応(オプション)
火災信号連動機能
常時閉鎖式防火戸対応
連携機能 電気錠との瞬時連動
カードリーダー対応
AI顔認証システム対応
各種ロボットとの連携

アシスト・スイング® Slim-SW300は、あらゆる施設のスイングドアの自動化に最適なソリューションとして、世界中で高い評価を受けています。

当社では開き戸を自動ドア化する
工事・メンテナンスを承ります!

開き戸用 自動ドアシステム
アシスト・スイング®

当社では、開き戸用自動ドアシステム「アシスト・スイング®」輸入販売、新規工事・改修工事・メンテンナンス工事を行っております。

新築物件では、建物の用途や人の動線を考慮し、最適な開き戸自動ドアをご提案いたします。例えば、オフィスではお客様と従業員の利便性を、商業施設では来店されるお客様の快適さを第一に考えた提案を行っています。

既存の手動開き戸を自動ドアに改修することも可能です。工事期間を最小限に抑え、できるだけ日常の活動に支障が出ないよう配慮しながら作業を進めます。

導入後のメンテナンスも万全の体制で承っています。メンテナンス契約による定期的な点検により、不具合の早期発見や予防保全を行い、ドアの安全性と快適な動作を維持します。お客様に安心してご利用いただけるサービスを提供できるよう努めてまいります。

アシスト・スイング® は、耐久性、安全性、利便性に優れた自動ドアシステムです。オフィスやホテル、病院などあらゆる場所で、スムーズな人の往来を実現します。お問い合わせは、弊社ウェブサイトの「お問い合わせフォーム」にて承っております。皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。