
私たちの日常生活に欠かせない自動ドアですが、安全な動作の要となるのが「センサー」です。商業施設やオフィスビル、病院、住宅まで、あらゆる場所で活躍する自動ドアのセンサーは、安全性と利便性を両立する重要な役割を担っています。
しかし、「自動ドアが反応しない」「誤動作が多い」「どのセンサーを選べばよいかわからない」といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自動ドアセンサーの基本的な仕組みから各種類の特徴まで、専門的な知識を分かりやすく解説します。4つの主要検知方式の特徴、施設別の最適な選び方、日常的なメンテナンス方法、よくあるトラブルの対処法まで、自動ドアセンサーに関する疑問にお答えします。
設備管理者の方から一般利用者の方まで、安全で快適な自動ドア環境の実現にぜひお役立てください。
自動ドアのセンサーの仕組みと4つの検知方式

自動ドアのセンサーは、人が近づいてきたことを察知して、ドアの開け閉めをコントロールする大切な装置です。センサーが人を見つけると制御装置に検知信号を送り、その信号を受けてドアが自動で開きます。自動ドアのセンサーは、4つの異なる検知方式があり、設置環境に応じて使い分けられています。
マイクロ波方式
電波を照射して人の動きを検知する方式で、優れた環境への適応力が特徴です。適切な範囲での検知が可能で、雨や雪などの悪天候にも影響されず、屋内はもちろん、屋外設置や施設の入口に最適です。温度変化や光の影響を受けにくく、安定した検知性能を発揮します。また、小さな動きも敏感に察知するため、高い安全性を実現できます。
赤外線方式(PIRセンサー)
人の体温(赤外線)の変化を感じ取る方式で、消費電力が少なく価格が安いのが特徴です。人を感知できる距離は0.5~6mで、住宅や小さなお店でよく使われています。ただし、夏の暑い日は感度が落ちやすく、止まっている人や物は見つけられないことがあります。
超音波方式(ドップラーセンサー)
超音波の跳ね返りで動きを感じ取る方式で、気温の影響を受けにくいのが特徴です。人を感知できる距離は0.5~6mで、止まっている人や物も見つけられるため安全性が高いとされています。一方で、風や振動で誤動作することがあるため、振動の少ない環境での使用に適しています。
光線反射方式(近赤外線式)
近赤外線の床からの反射量の変化を感じ取る現在多く使われている技術です。人を感知できる距離は1~8mと広範囲で、動作が安定しているため、ショッピングセンターやオフィスビル、病院など一般的な自動ドアで広く使われています。レンズに汚れが付くと感度が落ちるため、定期的な掃除が必要です。
4つの検知方式の特徴を一覧で比較すると以下のようになります。
設置環境と利用目的に応じて適切なセンサーを選択することで、長期間にわたって安全で快適な自動ドアを維持できます。センサー選択では、これらの技術的特徴と設置環境の条件を総合的に判断することが重要です。
起動・安全・補助センサーの役割分担

自動ドアには「起動センサー」「安全センサー」「補助センサー」という3つの役割を持つセンサーが付いており、連携して安全性を確保しています。
起動センサー
ドアを開くきっかけとなる最も基本的なセンサーです。通行する人を検知してドアに開放信号を送り、ドア上部の無目部分(ドア枠上部の梁の部分)に取り付けられます。検知範囲はドアの前1.5~3mで調整でき、光線反射方式、電波方式などから選択できます。
安全センサー(セーフティセンサー)
挟まれ事故を防ぐ重要な安全装置です。通行中の人を検知して挟み込みを防止し、光電式が採用されています。床から200-700mmの高さに設置され、人や物を検知すると即座にドアを反転させて全開にします。
補助センサー
通行中の安全確保をサポートする補完センサーです。起動センサーと保護センサーでカバーできない死角を補完し、挟み込み発生時の自動反転・全開動作をサポートします。
この3つのセンサーが連携することで、人が近づいてから安全に通り抜けるまで、全ての段階で確実な安全性を実現しています。現代の自動ドアでは、これらのセンサーからの信号を制御装置が総合的に判断し、最適なドア動作を実現しています。
自動ドアのセンサーの種類と用途別の選び方
自動ドアのセンサーには、設置する場所や使う目的に応じて様々な種類があります。最も一般的なのは無目式人感センサーで、商業施設の約80%で使われています。最近では感染対策として、直接触らずに操作できる手かざしセンサーの需要が急激に増えており、施設に合った最適な選択が重要です。センサー選びでは検知の仕組み、設置場所、維持費用を総合的に判断することで、長期間にわたって安全で快適な自動ドアを実現できます。
無目式人感センサー(最も一般的)
ドア上部の無目部分に設置される最も標準的なセンサーで、一般的な自動ドアのほとんどがこのタイプを使用しています。検知の仕組みは赤外線式が一般的ですが、最近では超音波式も登場しており、人を感知する範囲は1~6mで調整できます。コストが安くて設置が簡単なため、オフィスやお店の標準仕様として広く使われています。
非接触式手かざしセンサー
完全に触らずに操作できる最新のセンサー技術で、検知距離10~50cm、反応速度0.1~0.2秒という高い性能を持っています。もともとは食品工場や医療現場で使われていましたが、昨今の感染対策として使用範囲が広がっています。装置の上に手をかざすだけで触らずにドアを開閉でき、オフィス、病院、高級施設などで重宝されています。
接触式タッチセンサー
軽いタッチで確実に動作するセンサーで、従来の押しボタン式に比べて操作が簡単で利便性が向上します。非接触センサーよりもコストを抑えつつ、手動操作の確実性を求める場所に最適で、押し込む力が不要なため高齢者や身体の不自由な方にも使いやすい設計となっています。
施設別自動ドアセンサーの選び方|病院・オフィス・住宅対応

施設の種類や利用者の特性に応じて、最適なセンサーを選択することが安全で快適な自動ドアを実現するカギとなります。
通行パターン、周辺環境、利用者層を詳しく把握してから機種を決定することで、導入後のトラブルを大幅に削減できます。迷った場合は複数センサーの併用も有効な選択肢です。
自動ドアセンサーが反応しない原因と対処法

自動ドアが反応しないトラブルは、多くの方が経験する一般的な問題です。センサーの汚れや設定の不具合、電源トラブルなどが主な原因となります。まずは簡単なチェックポイントを確認することで、多くの問題を解決できます。
センサーの汚れ・設置角度の問題
センサーの表面に汚れが付いていると、人物を正しく感知できなくなります。花粉や砂ぼこりが付着している場合は、柔らかい布で優しく拭くだけで改善することがあります。ただし、直射日光でレンズが白く曇った場合は、センサー交換が必要です。
センサーの取り付け角度がずれると、本来感知すべき範囲をうまく検知できません。角度のずれや取り付け部の緩みは専門業者による調整が必要です。
電源・配線のトラブル
電源スイッチは2箇所ある場合もあるので両方確認し、建物の分電盤でブレーカーが落ちていないかもチェックしましょう。センサーのLEDランプが緑色なら正常、赤色なら検知中、消灯なら電源に問題があります。
感度設定の不具合
センサーの感度が適切でないと、人がいても反応しなかったり、誰もいないのに勝手に開いてしまいます。季節による環境変化も影響し、冬に低く設定した感度は夏に反応しにくくなり、逆もまた然りです。
感度調整は安全に関わる重要な設定のため、専門業者に依頼することをおすすめします。
人による反応差(身長・服装・歩行速度)
また、急いでドアに駆け込む場合はセンサーの反応が追いつかず、スマホを見ながら下を向いて歩く場合も検知が遅れることがあります。ドアの端を通るより中央を通る方が確実に検知されます。
小さな子どもや車椅子利用者は検知されにくい場合があり、センサーの感度調整が必要になることもあります。これらの状況でも反応しない場合は、センサーの故障が考えられるため専門業者による点検が必要です。
自動ドアセンサーのランプ表示の見方|色別の状態と異常サイン

自動ドアセンサーには状態を示すLEDランプが搭載されており、ランプの色や点滅パターンで動作状況や異常を判断できます。正しい見方を知ることで、トラブルの早期発見や適切な対処が可能になります。
正常時のランプ表示
緑色点灯(常時点灯)は正常な待機状態を示し、センサーが正常に動作していることを表します。人を検知していない通常時はこの状態が続きます。赤色点灯・点滅は人や物を検知している状態で、ドアが開閉動作中に表示されます。検知範囲から人がいなくなると緑色に戻ります。
青色点灯は調整モードや設定変更時に表示されることが多く、設定完了後は緑色に戻ります。機種によっては待機状態を青色で示すタイプもあります。
異常時のランプ表示パターン
赤色の連続点滅(1秒間隔)はセンサーの故障や電源トラブルを示しています。この場合は電源の確認や専門業者への連絡が必要です。赤色の早い点滅(0.5秒間隔)は感度設定の異常や検知範囲の問題を表し、調整が必要な状態です。
消灯状態は電源が供給されていないか、センサー本体の故障を示しています。まず電源スイッチやブレーカーを確認し、それでも改善しない場合は専門業者による点検が必要です。
オレンジ色点滅は一部の高機能センサーで採用されており、メンテナンス時期の警告や部品交換の必要性を示しています。取扱説明書で詳細を確認し、適切な対応を取りましょう。
ランプ表示の種類と特徴
ランプ表示の仕様は製品により異なりますが、一般的な表示パターンとして以下があります。
正常
検知中
設定モード
正常
検知中・異常
電源なし
3色表示タイプでは、緑=正常、赤=検知中、青=設定モード、2色表示タイプでは、緑=正常、赤=検知中・異常、点滅パターン表示タイプでは、点滅回数や間隔で詳細な状態を示します。
設置時には取扱説明書でランプ表示の意味を確認し、異常時の対処法を把握しておくことが重要です。
自動ドアセンサーのメンテナンス方法|日常・週次・月次の点検手順

日常的なお手入れは自動ドアの安定動作を維持する上で極めて重要で、すべての作業において電源OFFが必須条件です。
日常確認項目(所要時間5分)
作業前に制御盤のメインスイッチを完全にOFFにして安全を確保し、センサーLEDの点灯状態を確認します。正常時は緑色点灯、検知時は赤色点灯が一般的ですが、メーカーによって表示は異なるため取扱説明書で確認が必要です。開閉動作のスムーズさを目で見て確認し、異音・振動の有無をチェックします。ドア周辺に小石やホコリなどの異物がないかも確認が重要です。
月次メンテナンス(所要時間15分)
電源OFF確認後、センサー表面をマイクロファイバークロスで乾拭きし、レンズ部分の汚れを除去します。頑固な汚れには中性洗剤を薄めた水溶液を使用しますが、センサーに直接液体をかけることは避け、布に含ませて使用します。水拭き後は必ず完全に乾拭きして水分を除去します。
定期点検(年1-2回・専門業者必須)
年に1-2回は専門業者による総合点検を実施し、全設定値をメーカー基準に基づいて確認します。制御装置のエラーログをチェックし、異常な動作パターンや警告の記録を確認します。センサーやドア本体の消耗品について交換時期を判定し、予防的な部品交換を計画します。
季節別自動ドアセンサーのメンテナンスポイント|春夏秋冬の対策方法
季節ごとの環境変化に対応したお手入れを実施することで、年間を通じて安定した動作を維持できます。
春季(花粉対策)
花粉の飛散が多い春季は、センサーの清拭頻度を普段より少し増やすことが大切です。花粉はセンサーレンズに付着しやすく、汚れが溜まると人を正しく感知できなくなってしまうためです。特に花粉が多い日は汚れが目立ちやすいので、こまめな清掃が効果的です。屋外に設置されているセンサーでは、防塵カバーの点検も重要になります。
夏季(高温・湿気対策)
高温多湿な夏季は、結露による誤動作のチェックを重点的に行います。特にPIRセンサー(人の体温を感知するタイプ)は温度差の影響を受けやすく、真夏は外気温と人体温度の差が小さくなるため感度確認が必要です。また、冷房との温度差によって結露が発生しやすくなるため、除湿機能付きセンサーカバーの使用も効果的な対策となります。
秋季(落葉・風対策)
台風や秋の強風に備えて、風圧設定の調整と事前の総点検が重要です。強風によってセンサーが揺れたり誤動作したりするのを防ぐため、センサーの感度調整や固定具の点検を実施します。また、落葉がセンサーを覆って正常に動作しなくなる可能性もあるため、周辺環境の整備も併せて行うことが大切です。
冬季(寒冷対策)
寒冷地では凍結防止機能の確認が不可欠で、ヒーター付きセンサーの動作点検を実施します。雪の付着による検知阻害を防ぐため、撥水コーティングの施工や雪除け装置の設置を検討することも重要です。また、気温の急激な変化によるセンサーの動作不良を防ぐため、温度補償機能の確認も欠かせません。低温環境ではバッテリー式センサーの電圧が低下しやすいため、定期的な電圧測定も必要になります。
自動ドアのセンサーに関するよくある質問(FAQ)

自動ドアセンサーについて多く寄せられる疑問や質問をまとめました。センサーの基本的な仕組みから日常的なトラブル対処法まで、実際によくあるお問い合わせに基づいてお答えしています。
自動ドアは安全に関わる重要な設備のため、電源に関わる作業や複雑な調整は専門業者にご依頼ください。
Q1: 自動ドアセンサーが反応しない時、自分でできる対処法は?
A1: センサー表面の汚れを乾いた布で清拭し、周辺の障害物を確認してください。電源の確認を行う場合は、濡れた手では絶対に触らず、必ず乾いた手で操作してください。感電の恐れがあります。これらで改善しない場合は専門業者への相談が必要です。
Q2: センサーのランプが普段と違う色で点灯しているのは故障ですか?
A2: 必ずしも故障ではありません。一般的に緑色は正常動作、赤色は検知中、消灯は電源に問題がある可能性を示しています。メーカーや機種によって表示が異なるため、取扱説明書で確認してください。長時間異常な表示が続く場合は専門業者にご相談ください。
Q3: 自動ドアセンサーの交換や調整はどこに依頼すればよいですか?
A3: 必ず自動ドア専門業者に依頼してください。専門的な技術と知識が必要で、不適切な調整は事故のリスクを高めます。電気工事士などの有資格者が在籍し、アフターサービスが充実した業者を選ぶことが重要です。
まとめ:最適な自動ドアセンサー選びと安定運用のポイント
自動ドアセンサーの選択は設置環境と利用者のニーズに応じて行うことが重要です。屋内の一般的な用途には安定性に優れた光線反射方式、屋外や大型施設には長距離検知が可能な高性能マイクロ波方式、病院や食品工場などの感染対策が必要な場所には最新の非接触式センサーが最適です。
また、センサーの検知方式だけでなく、施設の用途や利用者層も重要な指針になります。多人数が利用するオフィスや商業施設では確実性の高い人感センサー、住宅では安定性に優れたマイクロ波方式センサーがおすすめです。
長期間にわたって安定した動作を維持するためには、適切なメンテナンス計画が不可欠です。日常的なセンサー清掃から専門業者による定期点検まで、包括的なサポート体制が重要になります。特に花粉の多い春季や結露の起きやすい夏季など、季節変化に対応した予防メンテナンスにより、年間を通じて快適で安全な自動ドア環境を実現できます。
当社取り扱いの自動ドアセンサー製品

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人感センサー(自動検知)
MCS-HR50(電波式)
広範囲検知範囲(縦4m×横3m×高さ2.2m)を誇る高性能な電波式センサーです。高速で移動する通行人にも素早く反応し、検知範囲と感度の調整が可能です。
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