
建物の安全を守る上で欠かせない防火区画。普段は意識することが少ないかもしれませんが、火災時には命を守る重要な役割を果たします。
「防火区画って何?」
「なぜ階段に重い扉があるの?」
「防火扉が開けっ放しになっているけど大丈夫?」
防火区画とは、火災時に火や煙が建物全体に広がらないよう、壁や扉で区切る仕組みのことです。建築基準法で義務付けられており、特にマンション、オフィスビル、商業施設などでは厳格な基準があります。
この記事では、防火区画の基礎知識から4つの種類、使われる設備、点検方法、そしてよくある「防火扉が不便」という問題を解決できる電磁レリーズ『マグネット・ドアホルダー』まで、わかりやすく解説します。
防火区画とは?

防火区画とは、火事が起きたとき、炎や煙が建物全体に広がらないように、建物の中を壁や扉で区切る仕組みです。これは「建築基準法施行令第112条」という法律で義務付けられています。
例えば、一般家庭のキッチンの場合、もしキッチンで火事が起きたら、壁がない場合は火があっという間にリビング、寝室へと広がり、家全体が火の海になってしまいます。逃げる暇もありません。
でも壁がある場合は、火はキッチンだけに留まります。その間に家族は安全に避難できます。この「壁で区切る」という考え方を、大きな建物に応用したのが防火区画です。
大きな建物での実例
マンションの場合:
1階で火事が起きても、防火区画があれば火の広がりを遅らせることができます。その間に2階以上の住民は安全に避難できます。
オフィスビルの場合:
10階で火事が起きても、階段が防火区画で守られていれば、煙が入り込むのを防ぎます。下の階の人が安全に避難できる時間を稼げます。
ショッピングモールの場合:
1つの店で火事が起きても、防火区画があれば隣の店への延焼を遅らせます。お客さんと従業員が避難する時間を確保できます。
これらすべて、防火区画のおかげです。
防火区画の3つの役割
防火区画には、大きく3つの役割があります。
人命を守る
煙や炎が来る前に避難できる時間を確保し、避難経路を守ることで人命を保護します。
延焼を防ぐ
火を発生した場所に閉じ込めて、他の区画や階に燃え広がらないようにします。
消火活動を助ける
火災の規模を抑えることで、消防隊の消火活動を容易にし、救助活動のリスクを低減します。
「防火区画」と「防火壁」などの違い
「防火区画」と「防火壁」などはどう違うのでしょうか?混同されやすい用語をここで整理しておきます。
| 言葉 | 何を守る? | 具体例 |
|---|---|---|
| 防火区画 | 建物内の延焼防止 | 階段の防火扉 |
| 防火壁 | 建物間の延焼防止 | 長屋の境界壁 |
| 防煙区画 | 煙の拡散を遅らせる | 天井の垂れ壁 |
| 界壁 | 音+火災を防ぐ | 隣の部屋の壁 |
| 耐火区画 | (誤用)正しくは防火区画 | - |
防火区画は、建物の中を区切り、部屋と部屋、階と階を分けます。具体例としては、階段の防火扉や耐火壁があります。
防火壁は、建物と建物を区切るものです。片方が燃えても、もう片方に燃え移らないようにします。長屋の境界壁などがこれにあたります。
防煙区画は、煙の拡散を遅らせるためのものです。天井に垂れ壁(50cm以上)を設置します。ショッピングモールの天井でよく見かけることがあります。
界壁は、マンションの部屋を仕切る壁です。音を遮ると同時に火も防ぎます。隣の部屋との壁がこれにあたります。
耐火区画という言葉は、実は正式な法律用語ではありません。正しくは「防火区画」です。現場では使われることもありますが、法律上の正式名称は「防火区画」です。
なぜ防火区画が必要?【火事の怖さとは】

なぜ防火区画がこれほど重要なのでしょうか。それは、火災の恐ろしさを理解すれば明らかになります。特に「煙」の速度と危険性を知ると、防火区画の必要性が実感できるはずです。
火事が燃え広がる速さ
炎の燃え広がる速度は、条件によって大きく異なります。木造住宅の場合、出火から2分程度で壁板等に燃え移り、隣の部屋まで到達します。大規模な建物でも、出火から最盛期まで平均7分程度と非常に速いスピードで延焼が進みます。
もっと怖いのは「煙」
煙はさらに速く動きます。横方向には毎秒0.5〜1m、階段などの縦方向では毎秒3〜5mも進みます。
例えば、10階建てマンション(高さ30m)で1階から火事が起きたとします。階段を煙が駆け上がる速度は毎秒3〜5mですから、30m÷5m/秒で計算すると、わずか6秒で10階に到達してしまいます。遅くても10秒程度です。防火区画がなければ、あっという間に建物全体が煙に包まれ、避難が極めて困難になります。
火事で亡くなる人の約4割は一酸化炭素中毒・窒息が原因
これは総務省消防庁のデータ(令和4年版 消防白書)です。火そのものより、煙の方が圧倒的に危険です。
なぜ煙が怖いのか。まず一酸化炭素(CO)です。無色・無臭で気づけず、数回吸っただけで意識を失います。空気中の濃度が1.28%なら、わずか1〜3分で死に至ります。
また、視界が真っ暗で何も見えず、出口がわからず逃げ遅れてしまいます。そして高温です。煙の温度は500℃以上にもなり、吸い込むと気道が火傷して呼吸ができなくなります。
なぜ防火区画が厳しくなったのか
総務省消防庁のデータによると、建物火災による死者数は年間約800〜1,000名です(令和4年版 消防白書)。そのうち約4割が一酸化炭素中毒・窒息によるものです。
特に危険なのは、階段や吹き抜けなどの縦方向の空間です。これらは煙突のように煙を吸い上げ、わずか数秒で上階まで煙が到達します。過去には、階段に適切な防火区画がなかったために、多くの犠牲者を出した火災が複数発生しています。
こうした事実とデータから、建築基準法では階段やエレベーターシャフトなどに厳格な防火区画の設置を義務付けています。防火区画は、統計と経験から生まれた、科学的な安全対策です。
防火区画の4つの種類

防火区画には大きく4つの種類があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
| 種類 | 何を防ぐ? |
|---|---|
| ①面積区画 | 横に広がる火 |
| ②高層階区画 | 高層ビルの火 |
| ③竪穴区画 | 縦に広がる煙 |
| ④異種用途区画 | 用途間の火 |
①面積区画【横に広がるのを防ぐ】

建物の種類別の基準
建物の構造によって、区切る広さが異なります。
| 建物の種類 | 区切る広さ |
|---|---|
| 鉄筋コンクリート造のマンション | 1,500㎡ごと |
| 鉄骨造のオフィスビル | 1,000㎡ごと |
| 準耐火構造の建物 | 500㎡ごと |
| 木造2階建て住宅 | 不要 |
広さのイメージとしては、500㎡がテニスコート2面分、1,500㎡がバスケットボールコート10面分程度です。
区切る方法
区切るにはコンクリート壁や鉄製の扉など、火に強い材料を使います。普通の木の壁やガラスでは基準を満たしません。
②高層階区画【高いビルは特に厳しく】

高層階区画は、11階以上の建物に適用される厳格な基準です。11階以上は消防車のはしごが届かないため、より細かく区切る必要があります。消防車のはしごは一般的に10階(約30m)までしか届きません。
内装の種類別の基準
使用する内装材によって、区切る広さが変わります。
| 内装の種類 | 区切る広さ |
|---|---|
| 普通の内装 | 100㎡ごと |
| 燃えにくい内装(準不燃材料) | 200㎡ごと |
| 燃えない内装(不燃材料) | 500㎡ごと |
この基準が適用されるのは11階以上のビルやマンションのみです。10階以下の建物には関係ありません。
③竪穴区画【縦に広がるのを防ぐ】

竪穴区画は、4つの防火区画の中で最も重要です。竪穴区画とは、階段や吹き抜けなど、上下の階をつながる空間を区切る仕組みです。具体的には階段、エレベーターの通り道(シャフト)、吹き抜けなどを指します。
なぜ竪穴が最も危険なのか
煙は横方向よりも縦方向に非常に速く移動します。横方向には毎秒0.5〜1mですが、階段などの縦方向では毎秒3〜5mもの速度で上昇します。10階建てマンション(高さ約30m)で1階から火事が起きた場合、わずか6〜10秒で10階まで煙が到達します。このスピードの違いが、竪穴区画を最重要とする理由です。
よくある危険な状態
実際の建物では、以下のような危険な状態がよく見られます。
階段の扉が開けっ放しになっている場合、火事のときに煙が階段に入り込んでしまいます。扉の前に荷物が置いてある場合は、扉が閉まらないため防火区画として機能しません。扉をヒモで固定している場合も、自動で閉まらなくなります。これらはすべて建築基準法違反であり、非常に危険な状態です。
対策方法
階段の入口に防火扉を設置します。この扉は普段閉まっているか、または火事のときに自動で閉まる仕組みになっています。
④異種用途区画【違う使い方をする場所を分ける】

| 建物の構成 | 区切る必要 |
|---|---|
| 1階:飲食店、2階以上:住宅 | 必要 |
| 1階:コンビニ、2階以上:マンション | 必要 |
| 全フロア:オフィス | 不要 |
| 一戸建て住宅 | 無関係 |
なぜ区切る必要があるのか
使い方が違うと火事のリスクも異なります。例えば、飲食店は火を使うため火災リスクが高く、住宅は火を使わないため比較的リスクが低いです。もし区切らなければ、1階の飲食店で火事が起きたときに2階の住宅にすぐ燃え広がり、住人が逃げ遅れる危険があります。
火に強い壁で区切っておけば、1階で火事が起きても壁で食い止められるため、2階の住人は安全に避難できます。
防火区画に使われる主な設備
防火区画は、具体的にどんな設備で作られているのでしょうか。ここでは、実際に防火区画を構成する主な設備を紹介します。
防火扉(防火戸)

防火扉とは、火災時に火や煙の通過を防ぐ性能を持つ扉のことです。マンションやオフィスビルの階段の入口で見かける、あの重い鉄の扉です。防火扉には、開閉の仕組みによって2つのタイプがあります。
| タイプ | 説明 | 設置場所の例 |
|---|---|---|
| 常時 閉鎖式 |
普段から閉まっている扉。 ドアクローザーで自動的に閉まる |
階段の入口、倉庫の出入口 |
| 随時 閉鎖式 |
普段は開いていて、 火災時に自動で閉まる扉 |
人の通行が多い階段、病院の廊下 |
常時閉鎖式は「この扉は常に閉めてください」という張り紙が貼ってあることが多いです。随時閉鎖式は、マグネットなどで開けたまま保持されていて、火事になると自動で閉まる仕組みです。
防火扉の種類と性能
特定防火設備
遮炎時間:1時間以上
主な用途:面積区画、異種用途区画
防火設備
遮炎時間:20分以上
主な用途:竪穴区画(階段)
特定防火設備というのは、より厳しい基準をクリアした防火扉のことです。1時間以上火や煙を遮る性能があり、国土交通大臣が認定したものだけが使えます。
防火扉の材質
最も一般的なのは鋼製扉(鉄の扉)です。視認性が必要な場所では防火ガラス扉(ワイヤー入りまたは特殊ガラス)が使用され、住宅などでは防火処理を施した木製扉が使われます。
普通のガラスや木の扉では、火に耐えられないため使えません。見た目は木の扉でも、内部に耐火材が入っている特殊なものです。
防火シャッター

防火シャッターとは、火災時に自動的に降下して、火や煙の拡散を防ぐ設備です。普段は天井に収納されていて見えませんが、ショッピングモールなどで天井を見上げると、細長い箱のようなものが見えることがあります。
設置される場所
防火シャッターは、商業施設の売り場と売り場の間、オフィスビルのエレベーターホール、倉庫や工場の区画境界などに設置されます。火災が発生すると、煙感知器が反応して自動的に降りてきて、火や煙が隣のエリアに広がるのを防ぎます。
防火シャッターの設置基準
防火シャッターは建築基準法により、主に2つの場所に設置が義務付けられています。
1つ目は外壁の開口部で延焼のおそれのある部分です。 隣地境界線や道路中心線から1階部分は3m以内、2階以上は5m以内の開口部に設置します。
2つ目は建築物内部の防火区画の開口部です。
面積区画では1,500m²ごと、竪穴区画では階段やエレベーターシャフト、異種用途区画では用途の境界、高層区画では11階以上でより細かい区画に設置が必要です。
性能の基準
防火シャッターは特定防火設備と防火設備に分けられます。特定防火設備は加熱開始後60分間火炎を出さない性能で、面積区画や異種用途区画に使用します。防火設備は20分間の性能で、主に竪穴区画に設置します。また、遮煙性能が必要な場合、シャッターの開口幅は5メートル以下とされ、それを超える場合は大臣認定が必要です。
防火シャッターの種類
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| 鋼製防火シャッター | 鉄製のシャッター。最も一般的 |
| 耐火クロススクリーン | 特殊な布でできた防火設備。軽量で設置しやすい |
最近では、軽量で設置しやすい耐火クロススクリーンも増えています。布製ですが、特殊な素材で火に強い性能を持っています。
安全装置
過去には防火シャッターが降下する際、人が下にいると挟まれる危険がありました。実際に平成17年(2005年)に死亡事故が発生したため、それ以降安全装置が義務付けられています。
現在では、降下速度を制限してゆっくり降りるようにする装置、人や物があると一時停止する障害物検知装置、降下前にブザーで知らせる警報装置などがあります。そのため、以前より安全性が大幅に向上しています。
耐火壁・耐火床

耐火壁・耐火床とは、火災時に一定時間、火や熱に耐える性能を持つ壁や床のことです。防火区画の境界を作る基本的な構造です。主な材料や特徴は以下になります。
| 材料 | 特徴 | 厚さの目安 |
|---|---|---|
| 鉄筋コンクリート | 最も一般的。耐火性能が高い | 10cm以上 |
| ALCパネル(軽量気泡コンクリート) | 軽くて施工しやすい | 10cm以上(認定品) |
| 石膏ボード | 木造建築でよく使われる | 強化石膏ボード12.5mm×2枚以上 |
鉄筋コンクリートが最も一般的ですが、木造建築では石膏ボードという特殊な板を何枚も重ねて耐火性能を確保します。石膏は熱を受けると水分を放出して温度上昇を抑える性質があるため、防火材として優れています。
防火区画によって異なる性能基準
防火区画の種類によって、求められる性能が異なります。
| 防火区画の種類 | 求められる性能 | 耐火時間 |
|---|---|---|
| 面積区画 | 準耐火構造 | 1時間 |
| 高層階区画 | 耐火構造 | 階数により1〜3時間(※) |
| 竪穴区画 | 準耐火構造 | 45分〜1時間 |
| 異種用途区画 | 準耐火構造 | 1時間 |
※耐火構造:建物の階数が高くなるほど長い耐火時間が求められます(15階以上の場合、壁・床は2時間、柱・梁は3時間)
準耐火構造とは、火災時に一定時間(45分〜1時間)、構造が崩れたり変形したりしない性能のことです。面積区画、竪穴区画、異種用途区画には、この準耐火構造が求められます。
また、高層階区画には、さらに厳しい「耐火構造」が必要です。耐火構造は、建物の階数に応じて1〜3時間の火災に耐える高い性能が求められます。これは、11階以上の高層建築では消防車のはしごが届かず、消火活動が困難になるためです。
特定防火設備

建築基準法施行令第112条第1項に規定される「特定防火設備」は、火災時に加熱開始後1時間、加熱面以外の面に火炎を出さないもので、1時間以上しっかり火を遮る高性能な防火設備です。
具体的な設備
鋼製の防火扉
1時間耐火性能
防火ガラス扉
1時間耐火性能、国土交通大臣認定品
防火シャッター
1時間耐火性能
認定番号の重要性
特定防火設備には、国土交通大臣の認定番号が付いています。例えば「FP060NE-○○○○」といった番号です。この番号がない製品は、いくら見た目が頑丈でも、特定防火設備として認められません。
防火扉・防火シャッターの点検とメンテナンス

防火区画の設備を設置しても、それで終わりではありません。防火扉や防火シャッターは、定期的な点検とメンテナンスが法律で義務付けられています。
定期検査は法律で決まっている
建築基準法第12条第3項により、防火扉や防火シャッターなどの「防火設備」は、定期的に検査して特定行政庁(都道府県や市区町村)に報告することが義務です。この制度は平成28年(2016年)6月から始まりました。
検査の対象となる建物
すべての建物が対象ではありません。検査の対象に該当する建物の例をご紹介します。
| 用途 | 規模 |
|---|---|
| 病院、診療所、老人ホーム等 | 200㎡以上 |
| ホテル、旅館 | 特定建築物定期調査の対象 |
| 百貨店、マーケット | 特定建築物定期調査の対象 |
| 共同住宅(マンション) | 5階以上、延べ面積1,000㎡超 |
| 事務所 | 5階以上、延べ面積2,000㎡超 |
詳細は地域によって異なるため、管轄の市役所・区役所の建築指導課にご確認ください。
検査の周期と対象設備
検査は年1回実施する必要があります。特定建築物定期調査(建物全体の調査)は1〜3年ごとですが、防火設備定期検査は毎年必ず実施しなければなりません。検査対象となる防火設備は以下の通りです。
随時閉鎖式の防火扉
普段は開いていて、火事のときに自動で閉まる扉(マグネット式など)
防火シャッター
火災時に自動で降下するシャッター
耐火クロススクリーン
防火シャッターの代わりに使われる布製の防火設備
ドレンチャー
水幕で延焼を防ぐ設備
検査の内容
作動確認では、火災報知器と連動して防火扉や防火シャッターが正常に閉まるかをチェックします。閉鎖スピードも重要で、適切な速度で閉まるかを確認します。速すぎると人が挟まれる危険があります。
部材の状態確認では、扉や枠に損傷、変形、腐食がないかを目視および触診で確認します。煙感知器については、正常に作動するか、電池切れや故障がないかを確認します。
また、周辺環境の確認も重要です。扉の前に荷物が置かれていないか、防火シャッターの降下スペースに障害物はないかをチェックします。
日常でチェックすべき5つのポイント
年1回の定期検査だけでなく、日常的なチェックも重要です。
①階段の防火扉の前に荷物がないか
最も多い違反です。扉の前に段ボール、備品、清掃用具などが置かれていると、扉が閉まりません。火事のときに煙が階段に入り込み、避難経路が使えなくなります。
②防火扉がスムーズに閉まるか 常時閉鎖式の扉の場合、ドアクローザー(自動で閉まる装置)が正常に動作するか確認します。閉まりが遅い、途中で止まる、バタンと勢いよく閉まる場合は、調整または交換が必要です。
③防火扉をヒモやストッパーで固定していないか 「重くて面倒」という理由で、ドアストッパーやヒモで固定しているケースがあります。これは違法です。固定されていれば即座に撤去してください。
④防火シャッターの降下スペースに障害物はないか 防火シャッターの下に商品、什器、自動販売機などが置かれていると、シャッターが降下できません。特にテナントビルでは、各店舗への注意喚起が必要です。
⑤「防火扉」「防火シャッター」の表示が見やすいか防火設備には表示が義務付けられています。表示が剥がれていたり、汚れて見えなくなっている場合は、新しい表示を貼り直してください。
よくある不備:防火扉が開けっ放し

実際の現場で最も多いのが、この状態です。理由は、防火扉は重くて、毎回開け閉めするのが本当に大変だからです。
例えば、病院や老人ホームでは、車椅子やベッドを押しながら扉を開けるのは至難の業です。オフィスビルでは、社員が一日に何十回も通る階段で、毎回重い扉を開け閉めしなければなりません。マンションでは、買い物袋を持った住民が毎日使います。
そのため、現場ではこのような対応をしてしまうケースが少なくありません。
「重いから、ヒモで固定してしまおう」
「面倒だから、ドアストッパーで開けっ放しにしよう」
「荷物を挟んでおけばいいや」
管理者としても、安全を守りたいですが、利用者の不満も無視できません。
この矛盾、実は解決方法があります
「普段は開けておきたいけれど、火事のときは確実に閉まってほしい」
この一見矛盾する要求を、実現する方法を次の章で詳しく解説します。
防火扉の課題と解決方法
防火扉には「安全性」と「利便性」の矛盾があります。この矛盾を解決する方法を紹介します。
解決策:電磁レリーズ『マグネット・ドアホルダー』

この矛盾を解決するのがゴールドマン株式会社の電磁レリーズ『マグネット・ドアホルダー』です。
| 状態 | 動作 |
|---|---|
| 平常時 | 電磁石に通電して、扉を開けた状態で保持 |
| 火災時 | 火災報知器と連動して電磁石への通電を遮断 → 扉が自動的に閉鎖 |
平常時は通電状態でマグネットの力で扉を壁に固定します。火災報知器が鳴ると、その瞬間に電源が切れてマグネットがドアを開放し自然に閉まります。
一般的な電磁錠は「通電すると開く」仕組みですが、防火扉用は「通電すると保持、遮断すると解放」という逆の動作です。これは停電時にも確実に扉が閉まる安全設計(フェイルセーフ)です。
電磁レリーズ『マグネット・ドアホルダー』を使用すると:
普段:扉は開いたまま(通行がラク)
火事のとき:自動で閉まる(安全確保)
停電時:自動で閉まる(万が一でも安心)
違法にならず合法的に開放保持でき、利用者も満足し、安全も確保できる解決策です。
当社の製品が選ばれる理由

ゴールドマン株式会社の電磁レリーズ『マグネット・ドアホルダー』は、なぜ全国で選ばれているのでしょうか。
圧倒的な信頼性
驚異的開閉試験回数:50万回
50万回の開閉試験をクリア。1日に10回開閉しても、約137年間使える計算です。長期間の使用にも耐える信頼性があります。
販売総合数:6,000台突破
全国の病院、オフィスビル、マンション、商業施設で導入されています。この実績が、製品の信頼性を裏付ける証拠です。
世界標準「フェイルセーフ」方式
停電時や火災時には確実に扉が閉まる、安全側に動作する設計です。
電磁レリーズの種類とメリット
当社の電磁レリーズ『マグネット・ドアホルダー』はあらゆる設置場所に対応できる製品を揃えています。
| 製品画像 | 製品タイプ | 保持力 | 主な特徴 | 適用場所 |
|---|---|---|---|---|
![]() |
壁面付型(標準) | 約36kg | 最も一般的 | 一般的な防火扉 |
![]() |
壁埋込型 | 約36kg | 見た目がスッキリ | 美観を重視する場所 |
![]() |
重量ドア用 | 約250kg | 大型扉に対応 | 重い防火扉 |
![]() |
防水型 | 約36kg | 屋外・水回り対応 | 屋外、地下駐車場 |
![]() |
防爆型 | 約36kg | 危険物取扱場所対応(IEC 60079-0-18準拠) | 工場、石油施設 |
![]() |
引き戸用 | 約36kg | 引き戸専用設計 | 引き戸の防火扉 |
新製品も続々登場
GD860S(最新の壁面付型)、GD700F-WP / GD760S-WP(防水型)、GD650S-24-105(大型フェイスプレート)など、ニーズに応じた新製品を開発しています。
導入のメリット
電磁レリーズ『マグネット・ドアホルダー』を導入すると、以下のメリットがあります。
法令順守
合法的に防火戸を開けっ放しにでき、建築基準法に完全に適合します。定期検査での指摘もなくなります。
利便性の向上
普段は扉が開いているため、通行が楽になります。利用者の満足度が大幅に向上します。
安全性の確保
火災時には確実に扉が閉まるため、避難経路が確保されます。停電時も安全側に動作します。
管理者の負担軽減
「扉を開けっ放しにするな」という注意や張り紙が不要になります。利用者とのトラブルもなくなります。
業務効率の改善
病院、オフィス、商業施設などで、スタッフや従業員の動線が改善され、業務効率が上がります。
資産価値の向上マンションやオフィスビルでは、最新の防災設備を備えていることが、資産価値の向上につながります。
安全性について
「本当に火事のときに閉まるの?」という疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
火災報知器との連動
煙感知器または熱感知器と連動しています。火災を感知すると、即座に電磁石の電源を遮断し、扉を閉鎖します。
停電時の動作
停電した場合、電磁石への通電が途絶えるため、扉は自動的に閉まります。これが「フェイルセーフ」設計です。電源が切れても安全側に動作する仕組みです。
導入後の効果
実際に導入した建物では、以下のような効果が報告されています。
病院での効果
「車椅子での通行がスムーズになり、スタッフの負担が大幅に軽減されました。患者さんからも『扉が開いていて助かる』という声をいただいています。火災訓練でも確実に扉が閉まることを確認し、安心して使用しています」
オフィスビルでの効果
「定期検査で『扉が開けっ放し』という指摘を毎年受けていましたが、導入後は完全に解消されました。社員からも『階段が使いやすくなった』『以前より階段を使う人が増えた』と好評です」
商業施設での効果
「バックヤードへの搬入作業がスムーズになり、作業時間が短縮されました。スタッフからも『扉のストレスがなくなった』と好評です」
実際の導入実績

東京都庁舎、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー、SHIBUYA STREAM、渋谷スクランブルスクエア、東京ミッドタウン八重洲、丸の内タワー、大阪国際空港、秋田市民会館、伊丹市庁舎、府中市庁舎など
これらの大規模施設で選ばれたという事実が、製品の信頼性を証明しています。
防火区画の気になる疑問を解決
ここでは、防火区画に関してよく寄せられる疑問や不安について、分かりやすく解説します。
Q1. 防火区画の不備が見つかったらどうなる?
防火区画に問題があると、まず行政から「直してください」と指導されます。それでも直さないと、工事停止や使用禁止の命令が出されます。命令にも従わない場合、定期検査を受けなければ100万円以下の罰金、是正命令を無視すると3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。会社の場合は最大1億円の罰金になることもあります。
Q2. 建物の防火区画を確認する方法は?
まず、建物を建てたときの図面(確認申請図書)を役所で見ることができます。ここに防火区画の場所が書いてあります。現場では、防火扉についているラベルや階段・エレベーター周りの防火扉を確認できます。確実に知りたい場合は、建築士や防火設備検査員といった専門家に調査を依頼するのが安心です。
Q3. 古い建物は既存不適格で免除される?
昔の法律で合法的に建てた建物が、法改正で今の基準に合わなくなることを「既存不適格」と言います。これは違法建築ではありません。そのまま使い続けるなら問題ありませんが、定期検査は必ず受けなければなりません。ただし、増築したり大きな改修をしたり、用途を変える(例:住宅を店舗に)場合は、今の法律に合わせて直す必要があります。小さな工事なら免除される場合もあります。
Q4. 防火扉を開けっ放しにするとどんな問題がある?
防火扉をストッパーなどで開けっ放しにすると、建築基準法と消防法の両方に違反します。検査で見つかると直すよう命令され、悪質なら罰金や建物の使用禁止になることもあります。
もっと怖いのは火事のときです。煙が階段に入り込んで逃げ道が使えなくなります。煙は1秒で3〜5メートル上がるので、あっという間に建物全体に広がり、煙を吸って亡くなる危険があります。開けておきたい場合は、電磁レリーズという装置をつければ、普段は開けておいて火事のときだけ自動で閉まるようにできます。
まとめ:防火区画で守る、人命と建物
防火区画は、火災時に人命を守り、延焼を防ぎ、消火活動を助ける安全対策です。建築基準法で義務付けられています。
防火区画には面積区画、高層階区画、竪穴区画、異種用途区画の4種類があります。特に重要なのは階段や吹き抜けを守る竪穴区画です。煙は階段を毎秒3〜5m上昇するため、10階建てマンション(高さ約30m)ならわずか6〜10秒で10階まで到達します。
防火扉や防火シャッターは、年1回の定期検査が法律で義務付けられています。日常的にも、扉の前に荷物を置かない、ヒモで固定しないなど、基本的な管理が必要です。
「防火扉が重くて不便」という問題には解決策があります。電磁レリーズ『マグネット・ドアホルダー』を使えば、普段は開けたまま、火災時は自動で閉まる状態を実現できます。ゴールドマンの製品なら、安全性と利便性の両方を手に入れることができます。
防火区画は、過去の火災事故から学んだ教訓をもとに作られた、科学的な安全対策です。正しい知識と適切な管理によって、人命と建物の安全を守ることができます。
当社では防火戸用 電磁レリーズの
工事・メンテナンスを承ります!

防災設備 自動閉鎖装置
電磁レリーズ
当社では、防火戸用電磁レリーズ「マグネット・ドアホルダー」の販売、新規工事・改修工事・メンテナンス工事を行っております。 新築物件では、建物やドアの用途、防火区画の要件を考慮し、最適な電磁レリーズをご提案いたします。オフィスビルや商業施設など、多くの方が利用する建物では、日常の利便性と火災時の安全性を両立した提案を行っています。
既存の防火戸についても、電磁レリーズへの改修工事が可能です。工事期間を最小限に抑え、通常の施設運営に支障が出ないよう配慮しながら作業を進めます。床付型、壁付型、壁埋込型など、建物の状況に応じた最適な取付方式をご提案いたします。
導入後のメンテナンスも万全の体制で承っています。50万回の開閉試験をクリアした高い耐久性を持つ製品ですが、定期的な点検により、不具合の早期発見や予防保全を行い、火災時の確実な作動を保証します。
当社の電磁レリーズ「マグネット・ドアホルダー」は、シンプルな構造と高い信頼性を兼ね備えた防火設備です。特に、新たに加わった防水・防爆仕様により、より幅広い設置環境でご使用いただけます。4,500台を超える納入実績が、その信頼性を証明しています。
お問い合わせは、弊社ウェブサイトの「お問い合わせフォーム」にて承っております。設計、施工、メンテナンスまで、一貫した体制で皆様の建物の防災性能向上をサポートさせていただきます。













